ワタミグループ

強さの秘訣

ワタミグループが強さを増していて、このところの経済不況の悪影響で外食産業が減退していく中、その勢いには目を見張るものがあります。
2009年3月期にはワタミの連結売上高を調べたところ1112億円(前年比7%増)、経常利益61億円(前年比18%増)。
いずれも過去最高を記録です。なぜワタミはここまで強いのか。

その答えは同社の徹底した“理念経営”にあると私は考えます。
「地球上で一番たくさんの“ありがとう”を集めるグループになろう」。
代表の渡邉氏はこの言葉を全社員4000名とどこまでも一貫して共有し、迷うことのない経営を実現させました。

この“理念経営”が不況下での過去最高益へと結実したものと考えられます。
今回、ワタミ流の“理念経営”の秘密に迫ってみましょう。

このところの不況により外食産業は厳しい状況の中、ワタミの外食事業は依然として好調で。
ワタミグループにとって、経済不況は何の影響もなく、むしろ応援してくれる追い風でもあります。
なぜならば不況になればなるほど、お客様は居酒屋 に対してより厳しく選ぶようになります。
そのようになると、ワタミは強みは増すからです。

自社限定の素材

ワタミでは食材の面において安心・安全に食べれることにこだわりを置いており、野菜料理には自社 農場「ワタミファーム」で採れた有機野菜のみを使っています。
今までのパターンから考えると「居酒屋ならどこに行っても変わらない」と考えていたお客さんが「せっかく大切なお金を消費するなら、有機野菜を使っているワタミに行こう」とワタミを選んでくださることはわかっています。

さらにお客様は味だけでなくお客様への対応の違いまで、ちゃんと見ていただいていました。
ですから、外食におけるマーケットが、たとえ小さくなったとしても、ワタミは店を大きくすることができ、 不況のときに低迷していた外食事業の業績も今年3月に底を打ちました。

現場で見た気遣い

ここ近年では”串のない焼き鳥”開発に成功し、世間で周知されています。
串に刺さっているのが焼き鳥だという固定概念があると思います。
しかしワタミの現場で働いている社員から提案があったそうです。

「お客様のほとんどは焼き鳥の串を抜いてから、お箸で召し上がっています。
それなら最初から焼き鳥を串に刺さずにお出ししたらどうでしょうと提案しました。
そして料理をお出しする際は、冷たいお皿で持っていくのではなく、熱い鉄 板に乗せるようにすれば焼き鳥が冷めることもなく、お客様にアツアツのまま召し上がって頂けます」と。

2009年3月期の売上高は145億円、経常利益は15億円にものぼり、2004年の新規参入からわずか5年で高収益事 業へと育て上げました。
その秘訣は何なのでしょう。
私は企業における良い姿勢がお客様にわかってもらえた結果だと考えています。

その姿勢とは「どんどんお客様にとって充実した気持ちになってもらおう」というものです。
それは「もっと商売をして利益を伸ばそう」というものではありません。
ワタミではお客様の目線に立ってみることで、全く何もないところから新しい発想を実現してきたように思います。

それを表している代表例が「4大ゼロ運動」です。この運動を推進した結果、多くのお年寄りの方か ら”ありがとう”をもらうことができ、結果として好業績につながっていると考えられます。